雪になりたい椿の日記

雪になりたい椿の日記です

 一回目のワクチン接種に行ってきた。集団接種。注射は全く痛くなかったし、会場のスタッフの方々の対応がとても丁寧で自尊心が上がった。あの対応を何度もうけるためなら、左腕を穴だらけにしてもいい。孤独な老人が公共施設のスタッフとの会話に癒しをもとめる気持ちがわかった気がした。普段ここまで他人から丁寧に接してもらうことがないから去りがたくなってしまった。三週間後にまた来ます。

 

 SFを読んでる。『日本SFの臨界点 石黒達昌 冬至草/雪女』(伴名練 編)という短編集。ジャンルを問わず、自分が未成年だったころに出版された小説を読むのが好きだ。あのころ解けなかった謎を今になって解いているような気持ちになれるから。わからないことだらけだった。周りの人間がなにをしているのか、どうしてそんなふうに話すのか、わからなかった。誰とも話さず、本を読むことも書くこともしなかったから、なにも言語化できなくて毎日ぼんやり苦しんでいた。読書のできる大人になれてよかった。

 

 多分、心のどこかで、「人生ってもう一周あるんでしょ?」と思っている。誰かの見ている夢のなかを生きているような気がする。そう思ってないとやっていられないのかもしれない。これでおしまいだなんて嘘みたいだよなと時々おもう。