雪になりたい椿の日記

雪になりたい椿の日記です

ミュージックバード

 

 仕事中にFrancfrancの前を通ったら、小鳥の玩具(ミュージックバードというらしい)がジングルベルを歌っていた。もうそんな季節になったんだ。何日か前、自宅のまわりに霧がでていて「いよいよ秋になったんだな」と思ったところだったのに。今朝は冬の冷えこみだった。電気ストーブの掃除をして、ベッドのシーツを冬用のシーツに替えた。この用意が間に合わなくて、昨日の夜は凍えながら眠った。今夜は大丈夫だと思う。

 

 久しぶりに本を買った。泉谷閑示の『「普通がいい」という病』(講談社現代新書)。泉谷閑示の本はこれが三冊目。『あなたの人生が変わる対話術』と『「私」を生きるための言葉──日本語と個人主義』を読んだことがある。どちらもとてもよかったから、他の著作も読んでみようかなと前々から思っていた。読みはじめてみたら、やっぱりこの本もよかった。全10回の講義形式で書かれている内の、今はまだ第2講を読み終えたところ。

 よく、葛藤自体を病的なものだと考えてしまう人も多いのですが、 葛藤していることはむしろ、健康な状態なのです。なぜなら、 図1-2でご覧の通り、○も△も地上にあって、 無意識という地下に生き埋めになっていない。 つまり心理学的に言えば、抑圧されていない。本人としては、 悩んでいてスッキリしないし、モヤモヤするんだけれども、 これ自体は病的な状態なのではない。 葛藤できる健康な力があると言ってもよいのです。

 しかし、とにかく人間はどうにかしてスッキリしたいものだから、 この一方を埋めて葛藤を解決したいと思う。 するとたいていの場合、頭由来の考え○が、心由来の感情△ を埋めることになるのです。△は抑圧されて、これで意識上は○ だけの天下になるわけです。見かけ上、 本人はスッキリして葛藤はなくなります。しかしその代わり、△ が抑圧されていますから、 これが我慢して黙っているうちはよいけれども、 そのうちに反発して動き出します。その結果、△ のエネルギーが意識の方に反乱を起こしたり、 それがダメなら身体の方から出てきたりします。 それもうまくいかなければ、△ の母体である心はストライキに入り、 エネルギー自体を出してくれなくなる。 すなわち意欲が出てこなくなる。心は身体と一心同体ですから( これも第3講参照)、 身体もエネルギーをあまり出してくれなくなるので、疲れやすさ、 倦怠感、食欲不振、等々の状態が起こってきます。これが、「 うつ状態」です。
 ですから、治療としては、 抑圧されているものを葛藤レベルまで持ち上げていってあげれば十 分に意味のあることになります。よくクライアントの方は「 治ったら、スッキリして悩みもなくなって、 きっと楽になるはずだ」と考えがちですが、実際は、“ あるべき悩みを悩むようになる“。それが、「治る」 ということなのです。

(『「普通がいい」という病』泉谷閑示)

 大切なのは「安心して悩める」ことだそうだけど、安心して悩むってどうやるんだろう。

 けど、自分を生きるためには誰かに解決策を教えてもらうのではなく、自分自身の頭と心で悩み苦しみながら答えをもとめる必要があるということは、とてもよくわかる。この一ヶ月そのことに苦しんできたから。苦しんで、それでも答えがでないのはまだ抑圧してる考えがあるからかもしれない。

「癒し」という言葉は、 疲れを取ったのちに元の生活や元の自分に戻っていくというニュア ンスをどこかに含んでいて、たとえわずかであっても、「生き物」 らしく変化・ 成熟を進めて変わりたいというベクトルが見えないのです。「 生き物」とは、 常に変化するがゆえに生きていると言えるのであり、 そのダイナミズムがそこには欠けています。

 回復とは元の状態にもどること。

「変化したい」と、「癒されたい回復したい」は、分けて考えなければいけない。

「早く今の生活から脱けだして楽になりたい」という願いは矛盾をはらんでいたのかもしれない。楽になろうとしたら元にもどってしまう。元とは、今の生活。変化はそれとは逆の方向へむかうことだから。

 もう一度自分の願いを整理しないと。

 

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