雪になりたい椿の日記

雪になりたい椿の日記です

#11

 最近はまた夜にラジオを聴いてる。ラジオは、学生のころは某芸人さんのオールナイトニッポンが大好きで毎週リアルタイムで聴いていたけど、心が消耗するにつれて芸人さんの些細な言動に傷つくようになって、そのうち聴くのをやめてしまった。最近は情報番組やアイドル番組を聴いている。内容はなんでもよく、ただ自分の生活にないような会話を耳に入れたくて聴く。昨日の夜は、男性アイドルが美味しいカレーの食べ方についてリスナーと話をしていた。隠し味になにを入れるとか、どんな料理と混ぜると美味しいとか、ご当地カレーでこんなものがあるとか。そんな話に嘘みたいに癒される。

 すべての人の顔色をうかがってしまうから、自宅や職場はもちろん、駅や電車にいるときも消耗する。目を閉じて顔を伏せても、そのことが誰かの気分を逆撫でするのでは、こうしている間にも正面の人たちがじっと僕を見つめているのでは、なんて妄想をしてしまう。ふと、そんなふうに誰彼かまわず顔色をうかがってしまうのは、誰彼かまわず期待をかけているせいではないかと思った。認めてもらえるかもしれない、わかってもらえるかもしれない、知ってもらえるかも、甘えれるかも。そんな期待を誰彼かまわずする。節操もなく。駅ですれ違う赤の他人に心がしなだれかかる。誰でもいいから助けてほしいと思っている。のかもしれない。そうなのだとしたら、きっと安全基地がないからそうなっているんだろう。調整して治せたらいいな。