雪になりたい椿の日記

雪になりたい椿の日記です

#5

 家をでるときスマホの電池残量が50%だった。最近ケーブルの調子がおかしくて途中で勝手に充電が止まる。外ではいつも40%分くらいスマホを使う。なら50%でも平気かな、とはならない。不測の事態がおきたとき電池残量が10%だと心もとないから。今日はなるべくスマホを使わないようにした。すると案の定、帰りの電車が遅延した。人が線路に落ちたらしい。運転再開時刻は不明。帰りが遅くなることを家族にラインした。いつもの調子でスマホを使っていたら連絡できなかったかもしれない。よかった。と、ここまで書いて、通勤鞄のなかにいつもフル充電4回分の予備バッテリーを入れて持ち歩いていることを思い出す。そんなもの。

 タイムリミットが近づいてる。それがいつなのかはわからないけど近いことだけはわかる。結局この怯えた自分を捨てられなかった。捨てられないのかもしれない。大切なのはどんな自分にこの体を預け、どの自分に話をさせるのか。多重人格みたいになれたらいいのに。自分の生活の不自由さに驚く。行動範囲の狭さと生活の乏しさ。好きなものを好きと言いたい。会いたい人に会いに行きたい。住む場所を自分で決めたい。安心できる場所に帰りたい。家のなかで息をつめていたくない。そういうものが理由として充分でないことに絶望しそうになる。

 

somewhere

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